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その横顔を見つめてしまう〜A Profile 完全版〜
『その横顔を見つめてしまう〜A Profile 完全版〜』
――人には四つの窓があるの。
真夏の熱気にやられたのか、物好きなお嬢様がそう言った。
傷ついていた義理の妹は、いまではわがままな甘えん坊に育って、
幼馴染のオモロナイ少女は、人知れず夜の歓楽街に消えていく。
陸上競技場の青空と、薄汚れたストリート。
実らない一途な想いと、実らせない兄妹愛。
少女たちの横顔は、少年の瞳にはどのように映るのだろう。
A profile――少年少女の、易しく真っ直ぐな物語。
(パッケージ裏より引用)

総合:B− シナリオ:B キャラ:B− CG:C エロ:C 音楽:C−

同人版は体験版のみプレイ済み。なんつーか、作中の雰囲気が凄く良かったので購入を決意。まあ内心、何故同人から絵が劣化?とか感じないわけではなかったが。

シナリオ:B
ゲームを開始すると、いきなりヒロイン3人が演劇調のセリフ回しでそれぞれの身の上や心境なんかを語りだすのだけど、ここら辺、言葉の選び方や文章のリズムなんかが非常に独特。これがるーすぼーい氏の作風なんだろうが、こういう自己主張の強い大衆文化チックな文章って好き嫌いが分かれそうではある。
しかし、さほど奇をてらいました感がなく、すんなりるーすワールドに入り込めてしまうところはさすが。ストーリーに入ると平易なテキストに変化するから、これ、物語冒頭だけの“掴み”の演出なんだろうな。
で、何が言いたいかというと、自分はこの雰囲気、嫌いじゃないですね。自分の好みは高橋龍也氏みたいな無色透明なテキストだったはずなんだけど…変だな?w

キャラ:B−
攻略可能ヒロインは義妹、無感情系お嬢、幼馴染の合計3人。どのヒロインも心理的にかなり深く掘り下げられていてエロゲフォーマットの域に収まらない。個人的には莉寿シナリオのHしないルート(身体のつながりを求める義妹を「妹だから」の理由で退ける主人公w)が好きだな。こういう常識的?な選択が可能なゲームは貴重だ。まあH不可だったら非難ごうごうだっただろうが。
未来ルートで莉寿を異性として気にするシーンもエロゲあるまじきでGJ。こういう演出って貴重だね本当。

CG:C
同人版より劣化したと評判の本作のCGだが、ゲンガーの差がくっきり出たとも言える。
有葉氏担当の美桜は合格ラインだと思う。てか美桜かわいくなってるし。未来はまあ好き好きかな。莉寿と莉子(義母)が微妙。もう思いっ切り微妙。塗りは問題ないので、そこで助かってるという感じかね。枚数は少なめの52枚。正直なところ、イベント絵も立ち絵も背景も足りてない。

音楽:C−
劣化どころか同人版に遠く及んでいないという意見が優勢の音楽は…うーん、クオリティは悪くないんだが、シリアス成分が足りてないんじゃないかな。ほのぼのな曲が大勢を占めてしまって「night run」みたいなキリッとシリアスな曲が少ないんだよ。
賛否両論のOP曲はだんだん慣れてきて、終いには洗脳されて好きになってしまった。声の演技は西田こむぎがGJ。この人の「ちょっと恥ずかしそうに言うセリフ」がたまらん。て訳で莉寿かわいいよ莉寿。未来と美桜はちょい微妙。でもやっぱ声付きの方がいいわな。

エロ:C
本作はるーすぼーい氏にしては(失礼)エロは頑張ってる方だと思う。尺は長め、フェラ標準装備、中・外出し選択可能という気の使いよう。それでもあんまり使えないんだが(一人エロ一回ずつ!)、まあこのゲームで積極的に抜きたい輩がそれほどいるとも思えんし。これはこれでいいんじゃないかと思った。

総合:B−
本作の魅力は一にも二にも、るーすぼーい氏描く人間同士の心の触れ合いだろう。ヒロイン達の内面描写は間違いなく光っている。苦言を呈すると、主人公の行動の動機付けがやや弱いのだが、森田(車輪の国、向日葵の少女)と違って一般の学園生なのだし、こんなものなのかもしれない。車輪よりも雰囲気がウェットなだけに、人を選ぶところが割を食ってるように思う。自分の場合は良く出来てればウェット・ドライどっちでもOKなんだがね。
ところで丁寧な内面描写を見せられれば更に深い描写を、更に多くのキャラクター達の内面を、と要求がエスカレートするのが性ってもん。本作もその点は同じで、莉子ルートは? とか、快音の過去って? とか、もったいないこぼれネタ多数。どうしてもボリューム不足は否めない。せっかく同人から商業作品に昇格したんだから、フルプライスで出せるレベルの作品を見てみたかった。
それにしても…つくづく最近の同人は侮れないもんだねえ。

《Written 2006.04.02》
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