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ef - the first tale.
『ef - the first tale.』
物語は、ひとつじゃない──群像劇のスタイルで描く、永遠のファンタジー。
かつて震災と大火に見舞われ、一度は焼け落ちた街──音羽。そこは現在、ヨーロッパの童話から飛び出してきたような、美しい街並みとして蘇っていた。まるで、忌まわしい災厄の記憶を覆い隠すように……。
「ef - a fairy tale of the two.」は全六章で構成される物語。これらは、大きく分けて二つのエピソードからなっております。
「ef - the first tale.」で描かれる第一部では、学生でありながら少女漫画家でもある青年・広野 紘と偶然のきっかけから彼と出会う少女・宮村みやこ。紘の幼馴染・新藤 景と、紘の悪友・堤 京介。そして、教会で誰かを待ち続けているという謎の女性・雨宮優子。彼らが交わる仲で生まれる「成長」の物語を描いて行く中で“ef”という物語のテーマを定義します。(パッケージ裏より引用)

総合:C シナリオ:C キャラ:C CG:A エロ:D システム:B 音楽:C+

購入動機は絵買い。個人的にはF&Cの七尾絵よりminoriの七尾絵がそそるので。
ひたすら特典が豪華だったな、これ。収納BOXは片方がパカパカだけどさ。

旧知の仲(らしい)雨宮優子と火村夕とが教会で再会し、自分が関わってきた人々の物語を優子が語り始める──というのがプロローグになっている。彼女の回想内容が本編にあたるのだが、具体的には「紘&みやこ」「京介&景」4名2カップルのストーリーがそれぞれ別エピソードとして語られる。それら2つを併せて第1部「the first tale」としているんだが、後に「the latter tale」(第2部)の発売が控えてる訳で。まあその、まごうかたなき分割商法ですな。

構成上、第1部は単体でそれなりに完結してることが求められるが、どっちのエピソードもそれはクリア。気になる謎(優子の正体とか夕との過去とか)も残ってはいるが、firstではその謎に手も触れない。結果、せっかくの謎が気にならないっつーか、どうでもいいわそれ、みたいな扱いになってる。latterが出るかどうか疑問視する声が多いが、出なくても精神的ダメージは大して無さそうである。変なところできちんと予防線が張ってあるなあminoriって。

本作はいわゆる紙芝居エロゲに比べてかなりカメラワークが自由自在である。ヒロインも立ち絵以外に背中やら横顔やらの絵が豊富に用意してあり、主人公の目線が臨場感を伴って感じられる作りになっている。そのせいか、地の文はほとんど(てか全く?)存在しない。各キャラの心情も声優が読み上げるし、シナリオの書き方としてはアニメに近いんじゃないのかな、これ。
そうなってくると次はテンポなんだが、やっぱCG枚数にも限度があるらしく、良いテンポとは言い難い。主観ではギリギリ眠くならないレベル。だがストーリー自体、息を呑むような展開はないし、CG使いまわしの多用もあいまって睡眠導入剤になっちゃった人もいるだろうな。

だが、絵的にナチュラルな雰囲気を醸し出せているのは確か。色彩も派手さはないが品の良いシックな配色になっているし、音楽もインパクト一発勝負とは真逆の、地味かつ高品質を狙ったってな感じで、総合的には紅茶の香り漂うような、上品な出来上がりになっていると思う。これが投資の仕方として正しいかどうかは別だが……こちとらユーザーは楽しめれば文句はないしね。
システムはなかなかいい出来。画面右下にマウスカーソルをあてるとメニューがポップアップする仕様だが、右クリックでも簡易的にメニューが出るし、反応早いし、操作性がいい。デザインは茶系統主体で雰囲気を壊さないよう配慮されていてGJ。メッセージスピードは細かく調整できるし、VOICEカットもキャラ単位でできるし、MUSICモードは凝ってるし、いいんでないかい。

キャラ立ちはまあ平均。みやこが看板的存在になっているが、キャラとしての味わいは景の方が上だと思う。悩んだり挫折したり拒絶に苦しんだり、といった描写が強みになってる。みやこは台風娘っぽい性格付けのはずが、最終的には人好きのするいい娘で止まっちゃってるなあ。
同じ意味で紘も京介よりやや見劣りがした。紘は少女漫画家という変わった設定を持っているんだが、あまり生かせてないと思う。別に少女漫画家である必要ないじゃん(first時点では)。少女漫画と現役の男子学生という取り合わせの突飛さを感じさせるような、それっぽいイベントが欲しかった。
個人的には、景と京介の1回目〜2回目Hのあたりの二人の行動が面白かった。つか、潔癖症で頑なな思い込み少女(=景)のえちぃにハマっただけかもしれんけど。そういう意味で、エロさも景>>>みやこ。意外性がエロいっつうか、開けっぴろげな女(=みやこ)だと艶がないというか…。だが、惜しいことに景の中の人の演技がどうしようもない。割舌悪いっス。みやこと優子の声の演技は問題ないんだけどね。

ストーリーは無難な学園モノ、キャラ立ちは平均レベル、音楽もシステムも、勿論CGもバッチリ。なのに評判は芳しくないんだよね、このゲーム。
まー評判は置いておいて、自分としてはそんなに悪くなかった。もともと絵買いだったけどCGは豪華の一言。絵柄の崩れもないし、塗りは丁寧だし、背景も綺麗。ストーリーが変に萌え萌えしてないのも好みに合った。
今ひとつだと思うのはプレイ時間とエロ、それと分割商法。プレイ時間、これちょっと食い足りないよ。エロシーンは短いし(薄いとは思わなかった)……と言いつつ、景はよく使ってるんだけどさ。
市場価格は結構値崩れしてるみたいだし、手軽にコンプできるし(皮肉じゃないです)、latterをまったり待つ度量があるなら手を出してみてもいいんじゃないかな。 自分は……latterまでに崩し終えないと思われる積みがあるのでモーマンターイ。

《Written 2008.03.25》
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