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Imitation Lover
『Imitation Lover』
次のテスト、カンニングさせてくれたら処女あげるよ──
その一言から始まった関係は、やがて偽物から本物へと変わっていく。
刹那的で逃避的で、だけどとびきり真剣な、どこか歪な恋愛劇。
(パッケージ裏より引用)


総合:C+ シナリオ:C+ キャラ:C+ CG:B+ エロ:C+ 音楽:C+ システム:C+

あらすじ
主人公、来栖樹は目立たない平凡な学生。波風立たない学園生活を送ってきたのだが、期末試験の迫ったある日、学園の問題児、一ノ瀬響にカンニングの手助けを請われた。その見返りは何と彼女の処女だという。心では「いけない」と思いつつも、巧妙な響の誘いに乗ってカンニングを手伝ってしまう樹。隣人のモテ男・尚也や憧れの先輩・伊織、気弱な後輩の円香を交え、昨日までとは似ても似つかない波乱万丈の日々が始まる……。

シナリオ:C+
基本的な話の流れはボーイミーツガール。ストーリーの主線を貫いているのは明らかに響で、その他のキャラは(樹さえも)添え物。作品の魅力自体が響のキャラに寄りかかっている。いわゆるキャラ萌えゲーだね。なので、響を受け入れられるならまあまあ楽しめるでしょう。その代わり、添え物キャラ(特に伊織)に感情移入してしまうと欲求不満に陥ること間違いなし。そういう意味では、シナリオの構成は拙い。だが、響ルートがあまりに良い出来なので相殺されて何とか見れてる、って感じかな。
テキストの特徴はクドイほど丁寧な(樹の)心理描写。何を考えてるのかわからない響に対してあれやこれや思い悩む主人公、というシーンではこの手法はうってつけなのだが、それ以外のシーンでもクドイので結果的にウザイ。この自分語りっぷりを見るに、ライターはおそらく女性だろうな、などと勘ぐってみる。
ところで、体験版でカンニング〜お礼シーンのさわりがプレイできるのだが、この個所の緊迫感は作品中で随一。体験版としてうまく切り取って見せてる。マークシート式やら論述式やら、カンニングの仕方も多彩で面白い。ってこれはエロゲの誉め言葉じゃないかw

キャラ:C+
響のキャラ立ちが良好なのは既に述べた通り。樹もショタと言う意味ではキャラ立ちはまあまあ。他は本当に添え物キャラ。しっかり心情を見せて欲しかった尚也ルートでは、伊織の主張が「私の世界をわかってくれないなんてヒドイ」で終始してるし。で、妥協したみたいに指輪を贈る尚也。あの言い分に歩み寄るだなんてムチャクチャっすね。円香に至っては電波。響があんなに微細に描けてるのに、他キャラのこの粗雑な描写は一体何なんだろうか。

CG:B+
枚数80枚(差分含まず)。「紅」からのまひる儲につき評価は甘め。よくある小奇麗な萌え絵なんだけど、まひる氏ならでは体のラインとか、なんとかパラダイスの頃の絵よりもぐっと洗練されてきてると思う。立ち絵と一枚絵とで顔が変わるのと、足と地面との着地点がヘンなのが難ではあるが。
塗りはアニメ塗りだけれど、この絵にはマッチしてるので良し。服が濡れた表現(頻出する)がエロいっす。背景もちょい枚数が不足気味だけど質は悪くない。
個人的には、制服が白いシャツ×赤いスカートてのがちょっと珍しくて気に入った。これ、フィギュアほしいなあ。

エロ:C+
回想シーン34枠。響17枠、伊織12枠、円香4枠、サブ1枠と豪快な偏りっぷり。しかもえちの相手は樹とは限らず。特に伊織が気に入った場合はNTR的に地雷と呼べるでしょう。自分は全く平気なタチなので無問題だったけど。
シチュ的には、処女破瓜、フェラ、足コキ、ローション、痴漢など多彩(但し和姦のみ)。作品スレで樹は早漏呼ばわりされてたけど、そうでもないんじゃね。響に限って言えば、割と使える方だと思う。

音楽:C+
BGM18曲、ヴォーカル2曲(OP&ED)、合計20曲。さらっとしたメロディラインの都会的な曲が多い。やや殺伐とした感も否めないが、テキストがしつこいので良い清涼剤になってたと思う。お気に入りは「Visitation」。秀曲って程じゃないんだけど、盛り上げ効果が高かった。ただ、一部の曲のアレンジが良くないかな。何だかチャカチャカ鳴り過ぎだよ。
声は……青山ゆかり嬢イイ! 声優の名前なんて覚える気もなかったが、彼女だけはしっかり覚えたっす。それと、樹&尚也の声は全編ほしかった。女性による男の喘ぎ声、聞きたかったよ。樹の中の人もあてたがってたのになあ。

システム:C+
いつものlightのマリーシステム。既読スキップとかクイックセーブ・ロードとか、基本は抑えられている。ログがまとめて表示されないのがちょいウザイかな、て程度で他は特に問題なし。ボタンやメニューのデザインは夏っぽくさわやか系の色でまとめられてて綺麗。パッチも出てないし、安定してるし、良いんじゃないかね。

総合:C+
どの要素も水準レベルにまとめられた手堅い出来。響目当てでプレイする分には裏切られることはないと思う。
だが、響以外のキャラが楽しめない、絵以外に突出したポイントがないなど欠点も多い。特に前者はボリューム薄につながってしまい、不完全燃焼感をプレイヤーに感じさせてしまっている。自分としては、まともに「Imitation Lover」出来る相手が響だけなのがちょいガッカリ。シナリオ構成の練りこみさえ出来てればもっと高評価を付けられるんだがね……。
公式AS(アナザーストーリー)をやるとその不完全燃焼感も幾分おさまるのだが、これは基本的に新品を購入しないと手に入らない。中古品を買う場合は注意。

《Written 2006.5.22》
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