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君と恋して結ばれて
『君と恋して結ばれて』
パッケージには両面とも解説、煽り文などなにも記載されておらず、ヒロインズと主人公ズのイラストのみ。珍しい。


総合:C シナリオ:B− キャラ:C CG:D エロ:C システム:C+ 音楽・声:C

あらすじ:
海晴坂学園に通う陽輔、章一、航太の3人は、陽気、沈着冷静、温厚、と全く異なる性格の持ち主ながらも、不思議とお互いにウマの合う仲間。
学園3年生となった年の4月、そんな彼らの前に3人の少女が現れることとなる。
3人は三様にその少女たちと相対し、青春を謳歌していくのだった……。

シナリオ:B−
3人の主人公に対してそれぞれ1人の固定ヒロインが用意され、各主人公のストーリーをオムニバス形式で体験していくという趣向の変わった構成。各ストーリーでヒロインは固定だが、攻略対象外の他ヒロインや他主人公はサブキャラとして位置付けられ、ストーリーに関わっていく。この形式は恋愛を臨場感を持って描くこと、そしてキャラを多面的に掘り下げることに非常に有効なのだと実感した。カップルを取り巻く環境(冷やかしたり、励ましたり…etc)とか、相手によって態度を使い分ける(想い人と兄、幼なじみ…etc)ヒロインとか、こんな情景・キャラを描いたエロゲーは正直、初めてプレイした。ユニークな試みに拍手、である。
3つのストーリーは微妙に開始時期がずれており、他2つのストーリーとオーバーラップしながら進行していく。この仕掛けのおかげで、先行して進むストーリーのヒロインの「進んでる」様子に後行のヒロインが焦ったり自己嫌悪したり、という生々しいシーンが拝めたりする。構成をよく練らないと破綻してしまっただろうが、本作はなかなかカッチリと作りこんであって安心してプレイできた。
とまあ、構成は非常によく出来ているのだが、シナリオ自体を眺めると今ひとつ平凡でもの足りない。まったり付き合う内に試練が訪れ、だが周囲の応援もあって乗り越える二人──という共通の枠に全ストーリーがはまっちゃってるんだね。そのせいか、どうも使いまわし感というか、チープっぽさが作品全体に漂ってしまってる。各ストーリーでキャラの個性をもっと表現できてれば評価が伸びたのに、そこんとこはちょい惜しいな。

キャラ:C
前述の通りキャラは個性をもっと打ち出して欲しいところだけど、個々で見ればそんなに悪くはない。自分的には、期待が最も低かった陽輔&ひなたがとても良かった。ひなたの「明るくてパッパラパー(死語?)」+「クレヴァーな世話女房」なキャラメイキングが、明るく見えて実は暗い過去を引きずっている陽輔にジャストフィット。てかウラヤマシカ陽輔。
逆に期待外れだったのは空。ワガママを押し付けること自体は描写としてアリだと思うが、それをどう解決していくか、という試みが二人の間で全くされず、強制的に服従させられるのはプレイヤーとしてストレスだった。つか、なんですかこの性悪。ウザいわ。
航太&渚緒は修羅場での行動がつまんなさ杉だった。もっと頭を抱える描写があっても良かったんじゃね? イイヤツってことを表したいんだろうけど、あれじゃ人間味がないよ。
あと、エロゲの評価とは関係ないかもしれんけど、陽輔が航太をバスケチームに誘うエピソードがすごく良かった。こういう友達って学校以外じゃなかなか出来ない。自分みたいな年寄りにとっては正直、グッと来たよ。

CG:D
枚数は88枚(差分含まず)。少女漫画然としたおっきなおめめが特徴的な、いわゆる萌え絵。やや体つきのぎこちない絵が混じっており、技量的にはお察しください、なレベル。ヒロインだけでなく主人公×3人も少女漫画絵。「り○ん」とかに載ってそうである。最初BL?とか思った。
塗りは単調でちょっと野暮ったいね。配色デザインもメリハリが足りないし、チープさに拍車をかけてる感じ。
立ち絵のバリエーションが冬制服、夏制服、冬私服、夏私服、水着、ハダカ(他あったっけ?)とバリエーション豊富なのは好印象。背景は足りなさ気味。もうちょいがんがれ。

エロ:C
回想は本編・おまけ合わせて23枠。本編の他に「おまけH」なるものが各ヒロイン×2枠用意されているのだが、場所やシーン設定がぶつ切り&唐突で感情移入しにくい。本編エロの補完なんだろうけど、こういうの、本編内に盛り込めなかったのがミエミエなんだよね。まあ使う分には関係ないのかもしれんけど。
一番良かったのは渚緒かな。テニス少女の引き締まった身体が次第に…というのがエロかった。

音楽・声:C
BGM23曲、ヴォーカルはOP/ED各1曲。BGMは可も無く不可も無く、毒にも薬にもならず、てな感じ。まあ作品の雰囲気をぶち壊すようなレベルでもないが、ほとんど印象に残ってないつーのが正直なところ。薄味すぎて醤油をぶっかけたくなる、とでも言おうか。
ヴォーカル曲については、OPは学校の卒業式を連想させるピアノ伴奏の曲で、まあ狙いはわかる。だが……EDの早送りっぷりには引いたw どーしたらこんな仕上がりになるのか謎だ。
声の演技はまずまずなんだが、キャスティング的にひなたの声がミスマッチだったように思う。もっとはっちゃけた声が良かったなあ。ちょっと溌剌さが足りないと思った。
構成上、当然と言うべきか、男キャラにも声がついている。それはいいんだが、肝心の本人が主人公であるルートでは声が入らないようになっているんだよねえ…。男の声なんかイラネっていう気持ちもわかるが、あったほうがキャラ立ちが良くなって自分としては面白いんだけどなあ。だから声OFF機能を(ry

システム:C+
何度か不正処理でゲームが落ちたり、そうすっとそれまでのプレイが既読にカウントされなかったりと、とほほな面がいくつかあった。パッチあててるのに何で!とOHP内を探し回ったら何故かBBSに別パッチが上がってたw まあそれをあてたら直ったけどさ。
バックログがちょっと使いづらいね。まとめて表示されないし、表示の仕方が現在進行中のものと変わらないのでやや混乱する。テキストの色を変えたりしねーか普通?
既読スキップや音量調節、キャラ毎のヴォイスON/OFFなど、基本的な機能は揃ってる。
コンプするとタイトル画面が変わる仕掛けアリ。こういう遊び心は好きだな。

総合:C
3人の固定主人公・固定ヒロインによるオムニバス形式という試みは良かった。しかも単なる実験作に留まらず、要所のストーリーも締まってるし、手堅く作られた佳作と思う。
だが、この作品のB級臭はどうにもいただけない。フリだけでもいいからもっと高級感というか、洗練された雰囲気を出すようにした方がいい(言い方が悪いかもだけど!)。これに5-6Kも払えるかと聞かれたら、自分はNoだなあ。
と言って、\1980で買い叩かれるようなクォリティではないんだけどね。そういう意味で、本作の現在の市場値は「買い」。どうしてこんなに値崩れしたんだか…RusKの今後に期待、つか心配(?)。

《Written 2006.9.24》
文責:◆PinkCH/F76 mail:memphis@s5.xrea.com