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Phantom of Inferno
『Phantom of Inferno』−コルトパイソンかS&Wか、それが問題だ
 暗黒外で相次いで発生したマフィア幹部暗殺事件。その影で囁かれる謎の組織“インフェルノ”と、組織最強の暗殺者である“ファントム”の噂…。
 一人旅でアメリカを訪れた主人公の少年は、ある事件で偶然にもファントムに遭遇。その正体は自分と歳が変わらない少女だった!? それまでの記憶を消され、ファントムのもとで数々の暗殺術を学ぶうちに、いつしか主人公は組織最高の暗殺者にまで成長していく。陰謀が渦巻く、凶暴で無法な世界に芽生える純愛の行方は何処へ…。(パッケージより引用)
総評:
従来のエロゲーにないハードボイルドなストーリー展開が特徴。スタッフの確かな企画力、開発スキルを感じさせる出来。ニトロプラスの処女作で実は開発費用は格安。システムやCGにはこなれ不足の点も。銃火器の描写もこだわりぬいている。燃えゲーという言葉を生み出した記念碑的タイトル。

シナリオ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◇ 90点
キャラクター ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◇ ◇ 85点
システム ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◇ ◇ ◇ ◇ 60点
グラフィック ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◇ ◇ ◇ 70点
サウンド ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◇ ◇ ◇ ◇ 65点
総合 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◇ ◇ 85点(良作レベル)

地雷=0-29点 駄作=30-49点 普通=50-69点 良作=70-89点 名作=90-100点
プレイする意義があるかどうかは60点を、満足できるかどうかは80点をボーダーラインとしています。

雑感:
 エロゲーとしては非常に変わった作品です。アサシン(暗殺者)として生きることを強いられた主人公が体験するのは生きるか死ぬか、の文字通り非情な世界。そこにはお色気可愛い女の子との心温まる交流もあったものじゃありません。ですが殺伐とした暮らしだからこそ、命を賭ける主人公の生き様、アサシンの少女やマフィアの女ボス、貧しい孤児の少女等との鮮烈な交わりはプレイヤーに強く訴えかけてきます。ここら辺はシナリオライターの力量によるものでしょう。淡々とした語り口のストーリーテリングは素晴らしいものです。
 本作の原画家はエロゲに携わるのが初めてのようで、正直、稚拙と言うしかないCGもちらほら見受けられます。が、決して萌え絵でない、どちらかというと写実的な絵柄は本作の内容にぴったり合っており、結果的に『ファントム』の世界を盛り上げています。
 システムは直感的でなく、使いにくいものでした。銃を発射するイメージでメニュー選択をするのですが、やたら効果音ばかり大きくてクリックが有効だったのかどうか不安になります。機能名が小さなアルファベット記述のみというのも減点対象です。セーブポイントは22ありますが、セーブ時のシステム日付が記録されるだけの簡素なもの。コメント入力やサムネイル表示などはできません。
 音楽はまあ可もなく不可もなく。開発費を抑えるためフリー素材を使用したとのことですが、世界観を壊すようなものではありませんし、良いのでは。
 エロゲ業界は実力のある無名ブランドが売れっ子に踊り出ることが割とたやすく、実際、そのようなブランドがいくつか生まれています。またエロゲユーザはコアなオタクユーザが多く、彼らは鋭い嗅覚と確かな審美眼を持っています。本作に出会ったとき、彼らは「これだからエロゲはやめられない」と思ったことでしょう。『ファントム』はこういった土壌だからこそ生まれ出ることが出来たのだと思います。正に記念碑的な作品です。

お気に入り:
・アイン……主人公に暗殺術を教える東洋系の無口な少女。無機質な言動は某綾波を連想させます。彼女が不憫で仕方なかった私は、CG回収後はアインルートしかやっていません。ああ、アイン可哀相…。

データ:
タイトルファントム Phantom of Inferno ブランドニトロプラス
シナリオ虚淵 玄 発売日2000/02/25
原画矢野口 君 ジャンルアドベンチャーノベルズ
プログラムPg.・千代子黎人 対応OSWindows95/98/Me/Xp
サウンド有限会社クワイヤ 定価\8,800
キーワード燃えゲー ハードボイルド 銃 特殊効果アニメーション無し ボイス無し

《了》 (2004.04.11公開)
文責:◆PinkCH/F76 mail:memphis@s5.xrea.com