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ロケットの夏
『ロケットの夏』
あまり大きくない地方都市。
昔、銀色のロケットが、毎日のように星の世界へと打ち上げられた時代があった。 けれどもいつしか宇宙港の門は閉ざされ、異星との交流は途絶えてしまった……
幼い頃に天才少年と呼ばれる程、自作ロケットに熱中した主人公「真幌高志」だったが、現在はかつての情熱を捨てて惰性のような毎日を過ごしていた。
けれどもある日、「50マイルズオーヴァー」と呼ばれる、自作有人ロケット競技大会への出場を目指す女の子「千星(ちせ)」と出会う事で彼の生活は一変する。
成り行きで千星にロケットのアドバイスをする事になってしまった高志だったが、彼を兄のように慕う幼馴染の「歩(あゆむ)」や担任でアンドロイド教師の「はるひ」達の応援を得て、次第に失ってしまったはずの情熱を取り戻していく……。 やがてサヴォア星から家出してきた小さな姫君の「セレン」と彼女の護衛兼メイドの「ベルチア」も加わってロケット部を設立、皆で50マイルズオーヴァー優勝を目指して自作有人ロケットの製作を開始するのだった!
(パッケージ裏より引用)

シナリオ:B
内に夢を秘めているものの、内向的かつナイーブでうまく表現できない少年の前に アグレッシブな女の子が現れて……という典型的ボーイ・ミーツ・ガールな物語。
5人のヒロインのシナリオはどれもボリューム不足の感が否めない。が、それを感じ させまいと、ほんの1行ちょっとした伏線が張られる工夫がされていて好印象。どの シナリオも、紆余曲折の果てにほろりとしたENDを迎えるという『ちょっといい話』 にうまく仕上がっている。美しい小品である。BR> 自分は図々しい系ヒロインが苦手で、某さわやかゲーをプレイ途中で叩き売ってし まったという前科があるが、このゲームはゆったりと流れる物語に助けられて投げず に済んだ。

キャラ:C
定番の幼馴染みから異星人の姫君、剣士、果てはアンドロイドとバラエティに富んだ 面子。性格付けはありがち、つかエロゲフォーマットに無理して近づけた感がある。
前述の通り、メインヒロイン千星はどうも好きになれず。歩は「実はこの娘がメイン ヒロイン!」みたいな扱いだったが、ぐじぐじウェットな感じが受け付けんかった。 某王女もワガママなところがダメだ……どうも自分の萌えポイントをはずしてるんだ よねえ、このゲーム。逆に王道ではないけど捻りが感じられるはるひ先生GJ。女剣士 ベルチアもなかなか特異なキャラで楽しめた。

CG:D
枚数は88枚。少なめだけど話のボリュームがボリュームだけに、さして少なすぎとも 思わなかった。絵柄は地味だが素朴さが出ていてストーリーにマッチ。というか、絵が ストーリーに助けられているという珍例。女の子の表情や下着などの表現で繊細さに 欠けるのがこの絵の最大のマイナス点だと思う。絵柄に加えて背景やら塗りやらも華 やかさに欠けるから、もう……このゲーム、マイナーになるのが運命付けられていたと しか言いようがないわな。

エロ:E
回想機能なし。純愛ゲーの鑑のような薄いエロ。流れは唐突だし、主人公が普段とは 打って変わって変に自信たっぷりなのが違和感。これじゃ、エロ無しの方がまだマシ。 てか、力入れる気がないんならエロ無しで出せよと。

音楽:C−
ややメルヘンチックなイメージで冒険せずにまとめた感じ。気持ちよく物語りを盛り上 げていたと思う。その代わり、特に印象的な曲もない。せめてボーカル曲はもっとメリ ハリつけても良かったんじゃないかな。

システム:C
マウスホイール未対応とかキーボードのEnterで進められないとか、古いゲーム ならではの不満もある。が、スキップや既読判定など一通りの機能は持っている。 ロードすると、セーブ個所より少し前(チャプター頭?)から開始するようですが、 チャプター分けがされていたのなら、チャプター名を表示する機能が欲しかった。
…と、それはともかく、エロゲなんだから回想機能くらい付けてもいいんでないかい?

総合:B
絵的な吸引力はないものの、気持ちよく読み進められて最後にはほろっとくるという、 青春純愛ゲーのお手本のような作品。エロゲという特性上、人を選ぶ作品が大半を占める中で本作は貴重なタイトルと言えよう。 それだけに、メーカーのリメイク版への気の持たせようは感心しない。個人的には、声 がつく事によって自分の中の「ロケ夏」の世界が壊れてしまいそうなのが怖かったりも するのだが。
……で、本当に9月末に出るんですよね?>月面基地前(後日談:出ましたね)

《了》 (2005.11.06公開)
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